末里遺跡

所在地 :北九州市八幡西区南鷹見町
調査時期:令和4年10月19日~11月18日
調査面積:300㎡

 

調査の内容

 本遺跡は洞海湾の最奥部、遠賀川東岸に広がる低丘陵地に位置している。調査区は現在、鷹見神社が位置している丘陵最高位から北側に下った段丘上に位置しており、標高は約7mである。付近を流れる堀川は調査区の北西側にて北から東へ向きを変え、洞海湾へと向かっていく。調査区内は東側が低く、西側に向かって高くなっており、全域で遺構が確認された。
 1号井戸は調査区の西側で検出され、板状に加工した石材を六角形に組んだ井戸側が確認された。内部に大きなコンクリート塊が落ち込んでいたために完掘ができなかったが、板石5段分、約2mの深さまでを確認することができた。板石には矢穴と鏨などで表面を平滑にした痕跡が明瞭に残る。また、調査区中央部を中心に大型の土坑が多く確認されている。これらは出土遺物が少ないものもあるが、ほとんどは近世以降のものだと考えられる。また、6号溝状遺構は西側から東側に傾斜しており、東半部を中心として最下層に炭粒が溜まっていた。
 調査区内で出土した近世の遺物は18世紀代のものでまとまっており、当該期の集落の一端を確認したことになる。これらの状況は当地域の集落の状況を考える上で重要な資料であるといえる。


 

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遺構検出状況全景(上が北)


 

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18号土坑石積み検出状況(南から)


 

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1号井戸検出状況(北から)


 

主な遺構

 近世  土坑、溝状遺構、井戸、ピットなど

主な遺物

 近世  江戸時代の土器、陶磁器、瓦など
 コンテナ  83箱

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