山王遺跡第3地点

所在地 :北九州市八幡東区山王二丁目
調査時期:令和4年4月5日~22日
調査面積:180.6㎡

 

調査の内容

 本遺跡は、北九州市八幡東区山王二丁目に所在し、既調査の第1地点の北側に隣接する位置である。
 調査では、3層の遺物包含層、2基の杭列、丘陵裾部で集石遺構を検出した。
 遺物包含層からは、古代から中世後期までの遺物が出土しており、最下層(8層:Y-2)からは、土師器埦や白磁碗Ⅳ・Ⅴ類が出土し、青磁を含んでいない。中層(7層:Y-1)からは、大量の土師器坏・小皿に混じり、鎬蓮弁文青磁碗や、青白磁梅瓶片、瓦質こね鉢等が出土した。また、この7層丘陵裾部の上面には不定形に砂流の堆積が見られ、水が流れたものと思われるが、平面的には確認できず、7層に砂が混入した状況が不安定に確認された。上層(6層:Y-0)は、多くを重機によって掘削したが、北側調査区では掘削を行った。同層からは、備前焼の壺(16~17世紀か)等が出土している。
 集石遺構は北側で検出した丘陵裾部に接続するように検出し、7層堆積後に投棄したものと考えられ、杭列と共に中世~近世の低地開発の一様を示す遺構と推定される。


 

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調査区北側全景 黄色の陸地側に大型礫の集積が見られる


 

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調査区南側 杭列検出状況(北から)


 

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調査区北側 礫の集石(西から)

主な遺構

 古代~近世  遺物包含層、杭列、集石遺構など

主な遺物

 古代~近世  青磁、白磁、土師器、瓦質土器、木製品(杭・板)など
 コンテナ  49箱

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