香月遺跡第5地点
所在地 :北九州市八幡西区香月中央一丁目、二丁目
調査時期:令和3年4月7日~4月23日
調査面積:197㎡
調査の内容
本遺跡は遠賀川の中流域東岸に位置し、尺岳に源を発し遠賀川に流れ込む黒川の北側にある。調査区は養生寺の北に隣接しており、南東約400mには杉守神社がある。標高は約10mで、黒川の氾濫原に位置しており、遺跡の最下層には1〜30cm大の礫層があり、礫層の中にはほとんど遺物は含まれていないが、一点のみ、古墳時代の土師器埦が一部を打ち欠いた状態で出土している。埦は正位置の状態で、周辺は他の部分よりも小礫が集中する高まりとなっており、意図的に埋置した可能性がある。また、礫層上面には褐色系粘質土の遺物包含層が堆積する。ここには古墳時代〜中世までの遺物が含まれており、その多くは6〜8世紀の須恵器、土師器である。小破片が多いものの、ほとんど磨滅しておらず、特に下層には完形品に近い遺物もわずかに含まれていることから、近隣にこの時期の集落があるものと推測される。
当地域では古墳時代〜古代の集落の状況が不明瞭で、今回の調査では当該期の周辺集落の状況を知る上で、重要な成果を得ることができた。
1区全景(上が北)
2区全景(上が南)
礫層から出土した土師器埦(南から)
主な遺構
古墳時代~中世の遺物包含層 | 溝状遺構、土坑、ピットなど |
主な遺物
古墳時代〜中世の遺物包含層 | 6〜8世紀の土師器、須恵器、中世の青磁、こね鉢など |
コンテナ | 40箱 |